人間ドック・健康診断(施設健診)

健診結果の見方を知りたい

判定区分

基準範囲 A 今回の健診の結果、異常は認められませんでした。

要注意
B 軽い変化が認められますが、必ずしも病的な状態ではありません。
C 生活習慣の改善や再検査が必要です。

異常
D1 医師の診察・指導が必要です。
D2 精密検査が必要です。
E 現在治療中

判定に関わらず、治療中の方は主治医に相談してください。
自覚症状のある方は、受診しましょう。

身体計測

BMI

体格指数で「体重(kg)/身長(m)2」で計算され、身長に見合った体重かどうかを判断する数値です。

低体重 普通(基準範囲) 肥満
BMI 18.4以下 18.5~24.9 25.0以上

(単位 kg/m2
*将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準

腹囲

内臓脂肪の蓄積を判断する指標であり、メタボリックシンドローム判定の基準のひとつです。

  基準範囲 要注意
男性 84.9以下 85.0以上
女性 89.9以下 90.0以上

(単位 cm)

聴力

聴力

日常会話の音域(1000Hz)と高音域(4000Hz)の2つの音で検査します。中高年齢者では、高音域から聴力の低下が始まります。日常生活に不便を感じられる方は、専門医を受診してください。(単位 dB デシベル)

眼(視力・眼底)

視力

1.0以上なら日常生活に支障ありません。0.6以下の場合は近視・乱視が考えられます。

基準範囲 要注意 異常
視力 1.0以上 0.7~0.9 0.6以下

眼底

眼底は血管を直接見ることができる唯一の場所です。網膜や細動脈の状態をカメラで撮影し、高血圧性、動脈硬化性などによる血管の変化を調べます。

H:高血圧性変化
S:動脈硬化性変化

~ご質問のあった内容から~

判読不能
眼底検査ではオートシャッターを切りますが、瞬間的に眼を閉じてしまったり、まつげがかかってしまった場合、年齢とともに若干の白内障が始まっている場合などによって鮮明に写らない場合があります。糖尿病などの疾患がある場合は、一度眼科で検査を受けてみることをお勧めします。

眼圧

眼球の中は房水という液体で圧力が保たれています。眼圧が低いと網膜剥離や外傷などが、高いと高眼圧症や緑内障が疑われます。

血圧・心拍数

血圧

心臓から血液が全身に送り出される時の血管に与える圧力が血圧です。高血圧の状態が続くと動脈硬化を起こし、心臓病や脳卒中の引き金になります。測定時の条件によって非常に左右されますので、1回だけの測定で高血圧と判断することはできません。

基準範囲 要注意 異常
収縮期血圧 129以下 130~159 160以上
拡張期血圧 84以下 85~99 100以上

(単位 mmHg)

心拍数

1分間に心臓が拍動する回数を調べます。心臓病以外にも緊張や疲労でも変動します。
(単位 回/分)

尿検査

蛋白

腎臓に障害が生じると、尿中に蛋白がもれ出てしまいます。ただし、激しい運動の後やストレスによっても一時的に出ることがあります。

基準範囲 要注意 異常
尿蛋白 (-) (±)(+) (2+)以上

潜血

腎臓・尿管・膀胱・尿道といった尿の通り道に何らかの異常があると、尿中に赤血球が含まれることがあります。

基準範囲 要注意 異常
尿潜血 (-) (±)(+) (2+)以上

尿糖

血糖が高値になると尿中に糖が出ます。他の検査と合わせて原因を調べる必要があります。

基準範囲 要注意
尿糖 (-) (±)(+)

ケトン体

下痢や脱水症状による糖の摂取不足や糖尿病等で糖の利用障害があると陽性になります。

基準範囲 要注意
ケトン体 (-) (+)

ビリルビン

赤血球が古くなって壊れるときにできる色素で、処理臓器である肝臓に障害が起こると増加します。高度の増加では黄疸が生じます。

基準範囲 要注意
ビリルビン (-) (±)

ウロビリノーゲン

肝臓障害や胆道系疾患の有無を調べます。

基準範囲 要注意
ウロビリノーゲン (±) (+)

比重、pH

肝臓の働きを調べる指標のひとつです。他の検査と合わせた総合判断が必要です。

沈渣

尿蛋白や尿潜血を調べただけでははっきりしない病気の疑いを、さらに詳しく調べるために行われます。

赤血球 腎・尿路の炎症、結石や腫瘍等があるとみられます
白血球 尿路の炎症等で増加します
上皮・円柱 腎炎等でみられることがあります

(単位 g/dL)

血液一般

赤血球数

赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送ります。高値の場合は多血症、低値の場合は貧血が疑われます。

  要注意 基準範囲 要注意
男性 434以下 435-555 556以上
女性 385以下 386-492 493以上

(単位 104/uL)

血色素量(ヘモグロビン)

赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。

異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
男性 血色素 12.0以下 12.1-13.0 13.1-16.3 16.4-18.0 18.1以上
女性 血色素 11.0以下 11.1-12.0 12.1-14.5 14.6-16.0 16.1以上

(単位 g/dL)

MCV・MCH・MCHC

  • MCVは赤血球の体積を表します。
  • MCHは赤血球に含まれる血色素量を表します。
  • MCHCは赤血球体積に対する血色素量の割合を示します。
  • MCVの数値が高いと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われます。
  • 低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われます。

ヘマトクリット(血球容積)

血液全体に占める赤血球の割合を示すものです。数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ高ければ、多血症、脱水などが考えられます。

要注意 基準範囲 要注意
男性 40.6以下 40.7-50.1 50.2以上
女性 35.0以下 35.1-44.4 44.5以上

(単位 %)

血小板数

出血を止める重要な役割をします。減りすぎても、増えすぎても出血しやすくなります。

異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
血小板数 9.9以下 10.0-14.4 14.5-32.9 33.0-39.9 40.0以上

(単位 104/uL)

白血球数

主に細菌やウィルス感染の際の炎症反応を示します。

異常 基準範囲 要注意 異常
白血球数 3000以下 3001-8499 8500-9999 10000以上

(単位 uL)

血液像

体内に細菌や異物が侵入すると、血液中の白血球が増えます。病態によって、白血球分画の比率が変化します。画一的判断が難しく、原因や症状、経過を総合して判定されます。

赤沈

感染症など炎症性疾患の有無や経過を知る手がかりとなります。

基準範囲 要注意
男性 9.9以下 10.0-19.9
女性 14.9以下 15.0-24.9

(単位 mm/h)

脂質検査

総コレステロール

コレステロールは体の細胞膜や血管壁を構成するなど、重要な役割を担っています。しかし、高値の場合は動脈硬化を、低値の場合は脳出血を起こしやすいといわれています。

要注意
総コレステロール 249以上

(単位 mg/dl)

中性脂肪

活動するための大切なエネルギー源ですが、食べ過ぎや運動不足により増加し、肥満や動脈硬化を引き起こしやすくなります。

基準範囲 要注意 異常
中性脂肪 149以下 150~499 500以上

(単位 mg/dL)

LDLコレステロール

悪玉コレステロールと呼ばれるもので、高値になると動脈硬化の原因となり心臓病や脳梗塞を引き起こしやすくなります。

基準範囲 要注意 異常
LDL 119以下 120~179 180以上

(単位 mg/dL)

HDLコレステロール

善玉コレステロールと呼ばれるもので、血管内のコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化を予防する働きをしています。そのため、低値になると動脈硬化を引き起こしやすくなります。

基準範囲 要注意 異常
HDL 40以上 35~39 34以下

(単位 mg/dL)

non-HDLコレステロール

non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値で、 脂質代謝リスク評価に有用とされています。高値になると動脈硬化を引き起こしやすくなります。

基準範囲 要注意 異常
non-HDL 149以下 150~209 210以上

(単位 mg/dL)

肝機能検査

AST(GOT)・ALT(GPT)

AST(GOT)は心臓、肝臓、腎臓、骨格筋に、ALT(GPT)は肝臓に多く存在する酵素で、臓器に障害が起こって細胞が壊れると血液中に流れ出てきます。そのため、心臓病や肝臓病発見の手がかりとなります。

基準範囲 要注意 異常
AST 30以下 31~50 51以上
ALT 30以下 31~50 51以上

(単位 U/L)

γ-GT(γ-GTP)

肝臓や胆道に異常があると高値になるため、肝臓病発見の手がかりとなります。またアルコールに反応しやすく、常飲者では値が高くなることがあります。

異常 要注意 基準範囲
γ-GT 50以下 51~100 101以上

(単位 U/L )

ALP

ほとんどの臓器に含まれている酵素で、血中のALPは肝臓や骨、小腸などから流れ出たものです。これらの臓器に障害が起こると異常値を示します。

要注意 基準範囲 要注意
ALP 37以下 38-113 114以上

(単位 U/L )

LAP

肝臓・胆管・胆のうなどに異常があるときに増加します。

基準範囲 要注意
LAP 78以下 79以上

(単位 U/L )

LD(LDH)

ほとんどの臓器に含まれている酵素ですが、なかでも心筋・肝臓・骨格筋の細胞が破壊されたときには高値を示します。

要注意 基準範囲 要注意
LDH 123以下 124-222 223以上

(単位 U/L )

コリンエステラーゼ

肝臓の働きを表すもので、肝障害で低下し脂肪肝で増加します。

要注意 基準範囲 要注意
男性 239以下 240-486 487以上
女性 200以下 201-421 422以上

(単位 U/L )

総蛋白

肝臓や腎臓等に障害が起こった場合、異常値を示します。

異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
総蛋白 6.1以下 6.2-6.4 6.5-7.9 8.0-8.3 8.4以上

(単位 g/dL)

A/G比

蛋白質の成分バランスをみます。アルブミンアルブミンは総蛋白の50~70%を占めており、低栄養や消化吸収障害、肝疾患などで低値を示します。

要注意 基準範囲 要注意
A/G比 1.2以下 1.2-2.2 2.3以上

アルブミン

アルブミンは総蛋白の50~70%を占めており、低栄養や消化吸収障害、肝疾患などで低値を示します。

基準範囲 要注意 異常
アルブミン 3.9以上 3.7-3.8 3.6以下

(単位 g/dL)

総ビリルビン・直接ビリルビン

赤血球が古くなって壊れるときにできる黄色い色素で、処理臓器である肝臓に障害が起こると増加します。高度の増加では黄疸が生じます。

要注意 基準範囲 要注意
総ビリルビン 0.3以下 0.4-1.5 1.6以上

(単位 mg/dL)

基準範囲 要注意
直接ビリルビン 0.4以下 0.5以上

(単位 mg/dL)

膵機能

血清アミラーゼ・尿アミラーゼ

糖類を分解する消化酵素で、膵臓に最も多く含まれています。そのため、膵機能障害や腎不全等で増加します。

要注意 基準範囲 要注意
血清アミラーゼ 43以下 44-132 133以上

(単位 U/L)

要注意 基準範囲 要注意
尿アミラーゼ 56以下 57-813 814以上

(単位 U/L)

腎機能

クレアチ二ン

老廃物の一種で、腎臓が正常に働いていれば尿中に排泄されますが、腎臓の機能が低下すると血液中に増えてきます。

基準範囲 要注意 異常
男性 1.00以下 1.01-1.29 1.30以上
女性 0.70以下 0.71-0.99 1.00以上

(単位 mg/dL )

尿素窒素

蛋白質の最終産物で、腎臓で処理され尿中に排泄されます。腎障害があると増加します。

基準範囲 要注意 異常
尿素窒素 7.9以下 8.0-20.0 20.1以上

(単位 mg/dL )

eGFR

慢性的に腎臓の働きが低下しているとこの値は低くなります。

基準範囲 要注意 異常
eGFR 60.0以上 45.0-59.9 44.9以下

尿酸

老廃物の一種で、大部分は尿と一緒に排出されますが、食生活の乱れや腎臓の働きの低下により血液中に増え、痛風発作や腎臓の障害等を引き起こすことがあります。

基準範囲 要注意 異常
尿酸 7.0以下 7.1-8.9 9.0以上

(単位 mg/dL )

血清学検査

CRP

組織に炎症が生じ、壊れたときに血液中に増えます。

基準範囲 要注意 異常
CRP 0.30以下 0.31-0.99 1.00以上

(単位 mg/dL )

RF

慢性関節リウマチや、膠原病等で高値を示します。

基準範囲 要注意
RF 15以下 16以上

(単位 IU/mL )

ASLO

扁桃炎などの原因である溶血性連鎖球菌に感染したときに値が上昇します。

基準範囲 要注意
ASLO 240以下 241以上

(単位 IU/mL )

TPHA

梅毒感染の有無を調べます。
偽陽性の場合もあり、治癒後も長期間陽性が続くことがあります。

基準範囲 異常
TPHA (-) (+)以上

HBs抗原

B型肝炎ウィルス感染の有無を調べます。

基準範囲 異常
HBs抗原 0.01未満 0.01以上

(単位 IU/mL )

HBs抗体

B型肝炎ウィルス感染の既往や、ワクチン接種により陽性になります。

基準範囲 要注意
HBs抗体 10.0未満 10.0以上

(単位 IU/mL )

HCV抗体

C型肝炎ウィルス感染の有無を調べます。

基準範囲 要注意
HCV抗体 (-) (+)以上

血糖

空腹時血糖 随時血糖

血液中のブドウ糖のことで、体を作っている細胞のエネルギー源となる大切な物質です。 増えすぎる場合、糖尿病や膵臓の病気などが考えられます。

基準範囲 要注意 異常
空腹時血糖 99以下 100-125 126以上

(単位 mg/dL )

HbA1c

赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結合したものです。血糖値や尿糖は、検査した時点での状態を示すものですが、この検査は過去1~2ヵ月の血糖の状態を知ることができます。

基準範囲 要注意 異常
HbA1c 5.5以下 5.6-6.4 6.5以上

(単位 % )

肺機能検査

肺活量

息を最大限に吸ってから、吐き出したときの息の最大量。

1秒率

最大に息を吸い込んでから一気に吐き出すとき、最初の1秒間に何%の息を吐き出せるかを調べます。

%肺活量

性別、年齢、身長から算出された予測肺活量に対して、あなたの肺活量が何%であるかを調べます。79%以下では肺のふくらみが悪いことを意味し、間質性肺炎や肺線維症などが考えられます。

便検査

消化管からの出血の有無を調べる検査です。食道・胃・腸・肛門に至る消化管のどこかに出血があれば陽性になります。

胸部X線検査

胸部に背後からX線を照射して撮影します。肺をはじめ、気管や気管支、胸膜・心臓・血管や骨などの形や大きさの異常の有無を調べます。

~ご質問のあった内容から~

検診でX線を受け、その後も病院での再検査でX線を受けた、何度も受けて大丈夫か?

X線は、放射線の一種ですが、1回の被爆量はきわめて低く(0.06mSv)、極端な回数を重ねない限り、人体の悪影響は考えられません。ただし、妊娠中、妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が心配ですので、申し出てください。

大動脈弓の突出

大動脈の上部は、ループを描いて走行しています(大動脈弓)。大動脈弓は、心臓から拍出した血液が直接あたる場所のため、血圧上昇や動脈硬化などにより変形して突出することがあります。

大動脈の蛇行

大動脈が湾曲して走行しています。加齢、動脈硬化などの場合にみられます。

心陰影の拡大

心臓の陰影が胸の横幅の50%よりも大きくなっています。肥満、心不全、心臓弁膜症などの場合にみられます。

喀痰検査

痰の状態や痰に含まれる細胞を調べることにより、呼吸器系疾患の発見の手がかりとなります。
喀痰細胞診判定不能について…喀痰が十分採取されていないため、判定できない場合です。

上部消化管(胃部)検査

造影剤のバリウム液を飲んで、食道・胃・十二指腸等の異常の有無を調べます。

~ご質問のあった内容から~

胃底腺ポリープ

胃の上中部にできる1cm以下の小さな半球状の隆起(ポリープ)です。複数あることが多く、良性です。

食道裂孔ヘルニア

食道が横隔膜を通り抜ける間隙である食道裂孔から、本来、腹腔内にあるべき胃が胸腔内には入り込む状態を言います。胃酸などが食道へ逆流し逆流性食道炎を起こしやすい状態です。

ピロリ菌と胃がん

胃がんの大半はピロリ菌感染が原因です。除菌により、胃がん発生リスクを減らせる可能性があります。胃X線検査でピロリ菌感染が疑われた場合、必ず内視鏡検査を受診しましょう。
(※すべてのピロリ菌感染胃炎が発癌するわけではありません。除菌しても胃がんリスクがゼロになるわけではありません。除菌後も定期的に検査を受けることが大切です。)

心電図

心臓が動くときに流れるわずかな電気を波形に表わしたものです。心筋障害の程度、心肥大や脈の不整などがわかります。

~ご質問のあった内容から~

完全右脚ブロック

基礎疾患のない右脚ブロックは問題のない事が多いですが、定期的に心電図検査を受けるようにしてください。狭心症、高血圧性心疾患などを合併し指摘された場合には、原疾患に対する治療が行われます。

完全左脚ブロック

広範な心筋障害を有している場合があります。医療機関を受診し精密検査を受けてください。胸痛を伴う場合には早急に循環器専門医を受診してください。

洞徐脈

心電図波形は正常ですが、心拍数が少ないものをいいます。心臓に拍動を指令する部位(洞結節)の異常や甲状腺機能低下症のほか、健康な人でもスポーツをよく行っている人にみられます。

平低T

T波は収縮した心臓が元に戻るときにできる波です。通常はなだらかな山型をしているT波が平坦になった状態です。心筋梗塞、左室肥大ではST部分の異常を伴ってみられます。健常女性、肥満でもみられることがあります。

腹部超音波

腹部皮膚表面部分に超音波を発信する装置をあてます。肝臓、胆のう、胆管、膵臓、脾臓、腎臓などの異常の有無を調べます。

~ご質問のあった内容から~

肝血管腫

血管から構成される肝臓の代表的な良性腫瘍です。徐々に大きくなることもあり、経過観察が必要です。

脂肪肝

肝臓に脂肪が蓄積した状態です。糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と密接な関係があり、内臓脂肪型肥満や飲酒が原因であることが多いです。脂肪肝から肝硬変、肝細胞がんへ発展することもあり、生活改善が必要です。

肝嚢胞

液体が貯留した袋状の病変です。単発のもの、多発のものがあり、通常は無症状ですが、嚢胞が大きくなると腹部膨満感、圧迫感等の自覚症状が認められることがあります。

肝内石灰化

肝臓にできたカルシウムの沈着のことをいいます。エコーでは白く映ります。過去に肝臓に損傷、結核などがあった場合に形成されることがあります。


オプション検査

腫瘍マーカー

腫瘍マーカー検査

がん細胞がつくり出す特殊な物質のうち、体液中(主として血液中)で測定できるものです。がん(腫瘍)の状態の目安として使われます。

腫瘍マーカーの結果だけではがんの有無を診断することはできません。高値の場合は、詳しい検査を受けてください。

前立腺(PSA検査)

高値である場合、前立腺肥大、前立腺がんなど前立腺疾患が疑われます。

 基準値
4.0以下

(単位 ng/mL )

AFP(α-フェトプロテイン・胎児性蛋白)

肝炎や、肝がんなどで高値になる他、睾丸がんなどでも高値になります。

 基準値
10.0以下

(単位 ng/mL )

CEA(癌胎児性抗原)

胃がん、大腸がん、食道がんなど主に消化器系疾患で高値になる他、乳がんでも高値になります。

 基準値
5.0以下

(単位 ng/mL )

CA19-9(糖鎖抗原19-9)

膵臓、胆道など消化器系疾患や、卵巣、子宮疾患で高値になります。

SCC(扁平上皮関連抗原)

食道がん、子宮がん(頸がん)、肺がん(扁平上皮がん)などで高値になります。

胃がんリスク検査

ABC分類 ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査
(-) (+)
ペプシノゲン検査 (-) A群 B群
(+) D(C)群 C群

A群

おおむね健康的な胃粘膜で、胃の病気になる危険性は低いと考えられます。逆流性食道炎などピロリ菌に関連しない病気に注意しましょう。未感染の可能性が高いですが、一部にはピロリ菌の感染や感染の既往がある方が含まれます。一度は内視鏡検査などの画像検査を受けることが理想的です。

B群

少し弱った胃粘膜です。胃潰瘍・十二指腸潰瘍などに注意しましょう。胃がんのリスクもあります。内視鏡検査を受けましょう。ピロリ菌の除菌治療をお勧めします。

C群

萎縮の進んで弱った胃粘膜と考えられます。胃がんになりやすいタイプと考えられます。定期的な内視鏡検査をお勧めします。ピロリ菌の除菌治療をお勧めします。

D(C)群

委縮が非常に進んだ胃粘膜と考えられます。胃がんなどの病気になるリスクがあります。ピロリ菌感染診断をお勧めします。必ず専門医療機関で内視鏡検査の診断を受けてご相談ください。

※ピロリ菌の除菌治療を受けた方は、除菌判定の結果に関わらず、定期的に内視鏡検査を受けましょう。除菌により胃がんになるリスクは低くなりますが、決してゼロになるわけではありませんので、除菌後も内視鏡検査による経過観察が必要です。

視野検査

視野検査(ハンフリー視野計)

視野検査を行うことで、視野欠損の有無を知ることができます。

【疑われる目の病気】
緑内障、網膜剥離、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、視神経炎、脳腫瘍など

頸動脈エコー検査

頸動脈とは壁が3層構造の弾力のある血管です。内中膜複合体の厚さ(IMT)を測り、動脈硬化の状態をみていきます。年齢、血圧、喫煙、血糖、コレステロール、肥満などの影響により血管壁は弾力を失い、プラーク(隆起)が発生します。動脈硬化は自覚症状のないまま進行し心疾患や脳血管疾患などを引き起こすので動脈硬化の進行を抑えるために生活習慣の見直しが必要です。

血圧脈波検査

血圧脈波は両腕、両足の血圧と脈波を測定することで、初期~重度の動脈硬化や足の動脈の狭窄の程度が分かります。

乳がん検診

乳房視触診検査

乳房やわきの下などにしこりがないか、リンパ節が腫れていないか、乳頭からの分泌物がないかなどを検査します。

乳房超音波検査

乳房の超音波検査です。乳房に専用のゼリーを塗って、圧迫することなく断層面にて乳房内を確認して「腫瘤性病変」を抽出するのに適しています。

検査結果 所見説明
のう胞 分泌液がたまったもので、放置しておいても問題ありません。
線維腺腫 良性腫瘍の代表的なものです。若年者に多く見られます。
乳腺症 超音波やマンモグラフィで異常を指摘されていない時は、問題ありません。

マンモグラフィ

乳腺・乳房専用のX線撮影です。乳房を挟んで圧迫して撮影します。特に超音波検査でわかりにくい「石灰化」を抽出するのに適しています。

検査結果 所見説明
腫瘤
石灰化
非対称性陰影
マンモグラフィの「腫瘤」「石灰化」「局所的非対称性陰影」などの所見は
精密検査が必要になる場合があります。

子宮がん検診

子宮頸部細胞診

子宮の入り口である子宮頸部の細胞をブラシなどで採取し、顕微鏡で調べる検査です。

ベセスダシステム
検査結果 推定病変 指針
NILM 陰性 定期検診
ASC-US 軽度扁平上皮内病変疑い 必ず精密検査を受けましょう。*
ASC-H 高度扁平上皮内病変疑い 直ちに精密検査を受けましょう。*
LSIL 軽度扁平上皮内病変
HSIL 高度扁平上皮内病変
SCC 扁平上皮がん疑い
AGC 腺異型または腺がん疑い
AIS 上皮内腺がん疑い
Adenoca. 腺がん疑い
other 他の悪性腫瘍疑い
HPV(ヒトパピローマウイルス)検査

この検査は子宮頸部細胞診と併用の検査です。HPVは子宮頸がんの原因となるウイルスで、150以上の型があります。そのうちがん化の可能性が高いハイリスクHPVが陽性かどうかを調べます。

検査結果 指針
陰性 異常ありません。
陽性* 子宮頸部細胞診の結果がNILMの場合は、医師の指示に従って下さい。
子宮頸部細胞診の結果がNILM以外の場合は、精密検査が必要です。
子宮経膣超音波検査

内診では診断が難しい子宮や卵巣の異常を調べる検査です。

検査結果 指針
子宮筋腫 医師の指示に従って、必ず受診して下さい。*
子宮内膜肥厚
卵巣腫瘍

*「近隣クリニック」か「総合病院」受診 かの判断は、医師の指示に従って下さい。

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