財団法人 宮城県成人病予防協会

機関誌TWO BIRDS 平成19年 春号

←目次へ戻る
 

あなたのお腹周辺に、内臓脂肪がたまっていませんか?

1ページ2ページ3ページ


さまざまな地域で脱メタボリックシンドロームへの挑戦がはじまっています。

過剰な内臓脂肪はなぜいけないの?

アディポサイトカインとは?

“アディポ”とは脂肪という意味で、サイトは細胞ですが、内臓脂肪を構成する脂肪細胞は過剰エネルギーの“貯蔵庫”という役割のほかに、さまざまな生理活性物質を分泌する“内分泌細胞”としての役割をもつことがわかってきました。この脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称して「アディポサイトカイン」といいます。アディポサイトカインには、血管の柔軟性を保ち、動脈硬化を予防する「善玉アディポサイトカイン(アディポネクチン)」と、血栓(血液の塊)を作りやすくし、動脈硬化を促進させる「悪玉アディポサイトカイン(PAI-1やTNF-αなど)」があります。正常な状態では、これら善玉・悪玉アディポサイトカインの分泌はバランスよく保たれていますが、内臓脂肪が蓄積した状態では、不思議なことに善玉アディポサイトカインの分泌量が減り、悪玉アディポサイトカインが過剰に分泌されます。この分泌の乱れが生活習慣病を招き、動脈硬化を進展させると考えられています。

日本人の死因として多いのが心筋梗塞と脳卒中。両者は動脈硬化性疾患で、血管が硬くなったりつまったりして引き起こされます。この動脈硬化につながるのがメタボリックシンドロームです。内蔵脂肪型肥満があり、さらに高血糖、高血圧、高脂血症のうち二つ以上が重なると、個々の症状はひどくないとしても、複数が重なることで動脈硬化のリスクは高まります。

脱メタボリックシンドロームに挑んだ 卸町の奥田さん

(1)写真仙台市若林区卸町で会社経営をする奥田真人さん(64歳)は、(1)の写真(CT内臓脂肪測定画像)を見て、驚きました。「内臓脂肪が標準の人の倍もあるなんて…」と非常にショックだったのです。
奥田さんは、若い時から風邪を引いたこともなく、自分は丈夫だからと、メタボリックシンドロームなどまったく考えもしませんでした。三十代、四十代、五十代の働き盛りに外回りをして汗を流した後に、昼食、夕食として、焼き肉、トンカツ、揚げ物の皿がついた定食…と、脂っこいものがとてもおいしかったのです。汗を流した後のビールも格別でした。だから、そうした食生活が蓄積されて、肥満と診断されるのは当たり前だという気持ちでいたし、多少血圧が高いのも、γ・GTPが異常値を示すのもいつものことだという気持ちでした。
でも六十代になると、さすがに肥満、血圧が高い、γ・GTPがひっかかる…そのたびに、頭の中では「なんとかしなければなぁー」という思いはありました。 そうしたところに突きつけられた(1)の写真ですから「今回ばかりは、なんとかする」と決断したようです。
内臓脂肪の写真撮影は、昨年八月、仙台卸商健康保険組合が主催する「生活習慣病予防セミナー」に参加した時のものでした。セミナーは八月に?宮城県成人病予防協会中央診療所において、CT検査で内蔵脂肪面積を測定し、その後、歩いて数分の卸町会館内で検査・測定データから個別のアドバイスが受けられ、さらに運動と栄養のセミナーが五回開催され、最後に希望者はCT検査で効果を確認するというものです。卸商健保の補助もついていて、参加しやすい金額も魅力でした。
奥田さんはこの機会に「やるぞ」と決断し、セミナーには欠かさず参加する一方で、生活態度を改めました。車で通勤していた自宅から会社までを歩く(四十分〜五十分の距離)意気込みで、昼は奥様手作りの弁当です。その食事の前に卸町近辺を三十分ほど歩き、時間を見つけてはこまめにストレッチを行い、デスクの脇にぶら下げておいた縄を使い縄跳びを千回から二千回、週一回は勤労者体育館で卓球を二時間、土日に雑用をするために会社に行く時も自宅から早足で歩きました。晩酌のビール大瓶二本も止めました。商用や懇親会など、どうしても付き合いから飲まなければいけないという時だけにし、自宅に酒の買い置きはしないようにしました。
(2)写真こうした努力の結果が五ヶ月後の(2)の写真です。体重65sが62sになり、ウエスト周囲は7p減、内臓脂肪はなんと80平方cmも減少しました。
体の調子はすこぶるよくなり、第一軽くなった上に、血圧は120〜180台になりました。医者に相談したところ降圧剤の薬を止めていいといわれるほどです。あれほど奥様から足が冷たいと言われていたのが、このごろは血行がよくなったのが自分でも驚くくらい温かくなりました。いいことづくめの上に、アルコールも大分控えたので次の健診の時にはγ・GTPにも期待しているといいます。
今後、奥田さんは、「これ以上は痩せたくないので、体力を落とさず脂肪を落としたいと思っている」と、筋力をつける努力をしているということです。 奥田さん、メタボリック脱出、おめでとうございます。

仙台卸商健康保険組合では

今後も脱メタボリックシンドロームに挑戦し、有病率を下げていきたいと話す
セミナーの風景(卸町会館)「卸商センター全体として健康づくりの雰囲気を作っていきたい。ここに働く人が健康になれば、会社の活性化につながる。その結果、医療費を削減できればよいのです」と話してくれたのは仙台卸商健康保険組合の渡辺隆文係長。本来ならメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の対象者を中心に、セミナーを開催したかったが、卸商健保に組合員の腹囲等、内臓脂肪に関するデータがないこともあり、該当者をつかめていなかったのが実情だったといいます。しかし、高齢化で増加している医療費を抑制しようと、健保組合などは二〇〇八年度から加入者への保健指導が義務付けられています。
今西さんと渡辺さんそこで事前にテストケースとして、今回の「生活習慣病予防セミナー・あなたの内臓脂肪は?」を企画したということです。最初にアドバルーンをあげて、卸商全体に健康づくりを広めたいとのことでした。
同組合の今西芳章さんは「今回、暗中模索の中、セミナーを開きましたが奥田さんのように個人的に良い効果が現れたので、今後の参考にしていきたい」と、組合員からアンケートをとり、メタボリックシンドロームの健診や禁煙にも挑戦していくつもりだと話しています。

↑up

 
ホーム | 協会概要 | リンク | お問い合わせ先一覧 | プライバシー・セキュリティーポリシー